緑の杜歯科クリニックの修復物(詰め物・被せ物)

いかにして、再治療を減らすか?

白くて透明感のある詰め物(インレー)・被せ物(クラウン)を入れることで、口元の印象を良くすることも大切ですが、目的はそれだけではありません。治療によって削った歯を健康な状態へと導くこと、そして再び虫歯になること(二次カリエス)を最大限に防ぐことです。

健康保険では、俗に金パラと言われる金属による修復物が多用されます。金属ですから、固く割れることはないのですが、実は再び虫歯になる(二次カリエス)可能性がとても大きいのです。これは、歯と金属の熱膨張係数の相違に起因するところが大きいです。簡単に言いますと、金属はお口の中で、温度変化により膨張と収縮を繰り返す。それによってセメントが破壊されて、隙間に細菌が侵入します。そして虫歯になる(二次カリエス)という具合です。あと、金属は硬すぎるので、歯を破壊してしまう可能性があることです。

二次カリエスを防ぐには、まず大切なのははじめから虫歯にならないことが一番です。しかし、万が一虫歯になってしまったら、歯と材質が近い材料で修復していくことが、歯の延命につながるのです。

当院では、患者様の口腔内に最適な修復物を提供します。

セレックシステムによる内製化

当院には、修復物を一回治療で完結させるシステム(セレックシステム、口腔内スキャナーで型を取り、修復物を設計し、機械加工を1回の治療で完結させる)があります。ケースによっては、一時間ぐらいで治療が終わります。

尚、現在は、口腔内スキャナーでの型取りと修復物装着を別日にて行っています。これは、付加価値の高いジルコニアや二ケイ酸リチウムガラスセラミックを使っているため(これらの材料は削り出し後、焼結処理が必要なため、より時間を要する)です。一回での治療をご希望の場合は、予めご相談ください。オールセラミッククラウンなど、患者様一人ひとりに合わせた個性化が必要な場合は、歯科技工士の熟練の手技が必要なため、更にお時間をいただきますことをご了承ください。

かみ合わせを考慮した修復物

当院では、適合、前述の2次カリエスの防止の他に、かみ合わせを考慮した修復物の提供を行っています。後述するラミネートベニアによりかみ合わせを変えないで修復物を提供します。

この他にアルクスディグマシステムを用いて、患者様のかみ合わせを記録し、その記録をもとに修復物を作ります。特に多数歯を治療する場合には欠かせません。一時間ぐらい治療時間は余計にかかりますが、かみ合わせに調和した修復物が完成します。ご希望の方はご相談ください。

修復物(詰め物・被せ物)の種類

オールセラミック

ジルコニア(白色)を土台にしてセラミックで形と色調を再現した修復物で、天然歯に近い白さ・透明感が再現できます。
保険の材料と比べて適合性が高く、また汚れが付着しにくく、変色もないという利点があります。また金属を使用しないので、歯の全周が白いです。金属アレルギーの心配もありません。

ジルコニアの土台は機械加工で作製されますが、セラミックの築盛は熟練の歯科技工士の方が一本一本手作業で行います。そのため値段は比較的高くなります。

ジルコニア

人工白色ダイアモンドである「ジルコニア」は、強度・靱性に優れています。審美性を要求される前歯などは、この上にセラミックを築盛しますが、臼歯部などの奥歯はジルコニア単体で使用されることが多いです。強度に優れる以外に、汚れが付着しにくく、変色にも強いという特徴もあります。健康保険の適応にはなりませんが、比較的安価に装着することができます。

二ケイ酸リチウムガラスセラミックス

一般的なセラミックよりも高強度のセラミック修復物です。当院のセラミック修復物はすべて二ケイ酸リチウムガラスセラミックです。強度は一般的なセラミックの4倍、色調は透明感が強く、審美性にも優れています。当院では内製化しているため比較的安価です。

メタルボンドクラウン

プレシャス合金(保険で使われる金パラではなく、歯と熱膨張係数が歯と近似している金合金)の上にセラミックを焼き付けた修復物です。オールセラミックが普及してきたため、あまり行われなくなってきました。しかし、精密加工義歯の維持歯(バネのかかる歯)には、欠かせない修復物です。

ゴールドクラウン

金合金や白金加金(※金にプラチナを加えたもの)で作製された修復物です。
適合精度が高く、耐久性に優れているので長持ちさせやすいです。
そのほか、保険で使われる金パラは金属イオンが歯茎に溶出し、歯茎が黒ずむという欠点がありますが、この金属はイオン化しにくいため、歯茎が黒ずむことは殆どありません。

ラミネートべニア

前歯の表面をごくわずかだけ削り、そこにセラミックの修復物を張り付ける治療法です。前歯の裏側を削らないため、かみ合わせは従来のままです(かみ合わせを変えたくないときに選択する治療法です)。ホワイトニングでは効果が得られなかった歯のち療法として有効です。また軽度の前歯の歯列不正も治せるなどのメリットもあります。気になる方は相談してください。