インプラント治療について
インプラント治療とは
インプラント治療とは、生体親和性に優れたチタン製の人工歯根(インプラント)を顎骨に埋め込んで、その上にセラミックなどでできた人工歯を装着する方法です。入れ歯のように取り外したり*1、ブリッジのように隣の歯を削って負担をかけたりすることはないです。
インプラント治療には、機能性と審美性において天然歯同等まで回復するという特徴がありますが、メリットだけではなくデメリットがあることも知っておきましょう。
*1)インプラントを使って入れ歯を外れにくくする治療法もあります。
当院のインプラント治療
当院で行なうインプラント治療では、スウェーデンのノーベルバイオケア社とスイスのストローマン社で製造されている純チタン製インプラントを使用しています。ノーベルバイオケア社は歯世界で最初にインプラントを製品化・発売した会社であり、ストローマン社はチタンが劣化しないで供給する製品を世界に先駆けて発売した会社で、両社は世界のインプラント市場で一位、二位を占めています。
当院では 歯科用CTを使用し、そこから得られる3D画像を基にした精密な検査・診断、コンピューターを駆使したシミュレーション、必要に応じて患者様の顎骨の模型やサージカルガイド(インプラント埋入手術の際、ドリルの挿入方向や深さを決定するためのガイド)を作製するなど、多くの症例を手がけてきた経験と技術力により、患者様からご満足いただけるインプラント治療をご提供しています。
また、患者様のご要望に合わせて、歯科麻酔医による静脈内鎮静法*2も行っています。
*2静脈内鎮静法とは鎮痛薬や向精神薬を静脈に直接注入し、麻酔状態をもたらす方法です。歯科治療での麻酔というと歯茎に注射をする方法が一般的ですが、これに対して強い恐怖を覚える人も多いものです。また、歯科治療そのものに対して恐怖を感じる人も少なくありません。静脈内鎮静法には精神の緊張状態を緩和させる効果があるため、こういった不安を解消することもできるのです。
治療中はぼんやりした状態になっており、治療中に起こったことを覚えていないことが多くなります。また、時間の感覚も麻痺するので治療時間が実際よりも短く感じるようにもなります。いつ終わるのか不安にさらされながら治療を受けるようなこともないのです。
インプラント治療のメリット&デメリット
・メリット
- 天然歯同等の機能性と審美性を得られる
- 残存歯の本数に関係なく治療可能
- 残存歯に負担をかけない
・デメリット
- 外科手術が必要なため、患者様に肉体的・精神的負担がかかる
- 心臓病や糖尿病など患っていたり、顎骨が痩せていると治療できないことがある
- 治療期間と治療費がかかる(健康保険が使えない)
インプラント治療の流れ
当クリニックでは、主に以下のような流れでインプラント治療を行なっています。
STEP1 全身の検査と口腔内の検査
全身の健康状態を問診から判断し、場合によっては医科の主治医に病状を問い合わせます。また、採血により生化学的検査を行います。
また、口腔内のレントゲン撮影、CT撮影、歯周病・噛み合わせの検査などを入念に行ない、これらの結果を基に、インプラント治療が患者様に適合する治療法か否かを検討します。
治療計画の立案
患者様とよく話し合ったうえで治療計画を立案します。
歯周病などの問題がある場合には、この段階でその治療を先に行ないます。
インプラント埋入
インプラントを顎の骨の中に埋め込む手術を行ないます。
治療期間
インプラント埋入したことによる異常や、傷口の状態に気を配りながら、顎骨とインプラントが強固に癒着するまで治癒期間を設けます。治癒期間はおおよそ3~4か月です。ストローマン社のインプラントを埋入した場合は治癒期間はもう少し短くなる場合もあります。
アバットメント装着
次にインプラントの頭部に(インプラントと人工歯の連結部となる支台)を装着します。
人工歯装着
周囲の歯肉が治癒したら、アバットメント人工歯を装着します。
人工歯が破損した場合の対応
インプラントは、歯肉の中に埋め込むインプラントとその上の人工歯で構成されています。この2つが一体となっている1ピースタイプのものと、分離している2ピースタイプのものがありますが、当クリニックでは2ピースタイプのものを使用しています。つまり、人工歯が破損しても手術することなく交換できるということです。
また、当クリニックでは保証制度も充実しているのでご安心ください。
緑の杜歯科クリニックのインプラント
光機能化で骨性統合を高めます
インプラント治療の成功率を高めるためには、埋入したインプラント体と骨をしっかり結合させることが大事です。
当院では「光機能化」という方法を用いて、インプラントの骨性統合を高めています。
光機能化では、使用前のインプラントの表面に紫外線領域内の特定波長を持つ複数の光線を一定時間、決められた強度で当て、インプラントの劣化の原因となる炭素を除去します。
そして通常はマイナスであるインプラントの電荷をプラスにすることで、マイナスの生体蛋白(歯茎や血液)と付着しやすい状態を作り出し、骨性統合(オッセオインテグレーション)を高めます。
こうして骨性統合を高めることにより、「治癒期間の短縮」「結合が難しい症例の対応化」「インプラントと骨の癒着能力の大幅な改善」などのメリットが得られます。
補綴主導型のインプラント治療
当院のインプラント治療は、「補綴主導型」です。「補綴主導型」とは、模型上でモックアップというシミュレーションを行い、口腔内における機能的、審美的な補綴物の設計を行った上で、インプラントの埋入位置などを決定する治療方法です。
外科手術が行いやすい箇所にインプラントを埋め込む「外科主導型」と比べると、噛み合わせの精度が高く、歯の寿命を長持ちさせることができるというメリットがあります。
骨・歯茎をしっかり作ってから治療
歯槽骨(歯を支える骨)の厚みが足りない場合などには、それを補うために「骨造成」という治療が必要になる場合があります。
また、歯周病などにより歯茎が痩せて薄くなっている場合には、他の部位から組織を採取して移植することもあります。
当院では適応症例の場合には、必ずこうした専門的な処置を行って、安全にインプラント治療を実施するようにしています。
どの治療においてもそうなのですが、「短期間」「手軽に」ということはおすすめしません。
特にインプラント治療の場合、体に異物を埋入することになるわけですから、やるからにはきちんと状況を整えてから行うべきだと考えています。
静脈内鎮静法により恐怖心を緩和
静脈内鎮静法は、インプラント外科手術などの歯科治療に対する恐怖心や不安・緊張感を最小限に抑制し、円滑・快適かつ安全に治療を行うために、薬物を使用して患者管理を行う方法です。
当院では日本歯科麻酔学会専門医による管理のもとこれを実施しています。
内科的基礎疾患をお持ちの方や、痛みに対する恐怖心がある方などにおすすめの方法です。
一番のメリットは健忘効果で、例えば、手術時には医師からの呼びかけに応えることも、痛みがあった場合にはそれを訴えることができるのに、鎮静から覚めた時には何も覚えていないということが可能となります。
辛い記憶がないということで、多くの方に喜んで頂いています。